政治のいろは

SNSの投稿は政治に関係する?デジタル時代の『声』の力

Tags: SNS, 政治参加, 情報リテラシー, デジタルシチズンシップ, 世論

日常のSNS利用が政治とつながる理由

普段、何気なく利用しているTikTokやInstagram、YouTubeショートなどのSNS。友達との連絡や好きな動画を見たり、最新のトレンドをチェックしたりと、生活に欠かせないツールになっているのではないでしょうか。政治と聞くと、ニュースで見る遠い世界の出来事のように感じるかもしれません。しかし、実はこのSNSが、政治と密接に関わっている場面が増えています。

政治は、社会のルールや仕組みを決めることです。学校の校則や、地域のごみ収集の方法、消費税の増減なども、すべて政治によって決められています。そして、SNSは、私たちが社会に対して「声」を届けるための、新しい「広場」のような役割を果たすようになってきているのです。

「声」が集まるプラットフォームとしてのSNS

SNSは、たくさんの人が自由に意見を発信し、共有できる場所です。この「みんなの声」が集まることで、「世論(よろん)」というものが形成されることがあります。世論とは、社会全体の多くの人が共通して持っている意見や考え方のことです。

例えば、ある社会問題について、SNS上で多くの人が「おかしい」「こうするべきだ」と声を上げ、それが広く拡散されたとします。この声が大きくなると、政治家や政府もその意見を無視できなくなり、政策を考える際の参考にすることがあります。これは、まるで学校の生徒会で、多くの生徒が「もっとこうしてほしい」という意見をSNSで発信し、それが生徒会の決定に影響を与えるようなイメージです。

また、政治家や国の機関も、SNSを使って直接情報を発信したり、人々の反応を見たりしています。これにより、私たちと政治との距離が以前よりもずっと近く感じられるようになっているのです。

SNSの情報、どう見極める?

SNSが「声」を届ける大切な場所である一方で、注意しなければならない点もあります。それは、情報が正しいかどうかを自分自身で判断する「情報リテラシー」がとても重要になるということです。

SNSでは、誰でも簡単に情報を発信できるため、誤った情報、いわゆる「フェイクニュース」が拡散されてしまうこともあります。間違った情報に惑わされてしまうと、社会全体の判断にも影響が出かねません。

例えば、ゲームの攻略情報やアニメの考察を見る時、それが本当に信頼できる情報源から出ているものなのか、たくさんの人が同じことを言っているかなどを確認するのと似ています。政治に関する情報についても、その情報がどこから出ているのか、他の情報と比べてどうかなど、いくつかの視点から確認する習慣が大切です。

インターネットを賢く使い、社会に積極的に関わるためのスキルや心構えを「デジタルシチズンシップ」と呼ぶことがあります。SNSでの情報発信や情報収集は、このデジタルシチズンシップを育むための第一歩とも言えるでしょう。

日常の「いいね」が政治につながる可能性

私たちがSNSで何気なく押す「いいね」や「シェア」も、実は社会や政治につながる力を持っています。ある投稿にたくさんの「いいね」や「シェア」が集まると、その投稿は多くの人の目に触れるようになります。これが繰り返されることで、特定の意見や話題がより広く認知され、社会の関心事へと発展していくことがあります。

例えば、大好きなアーティストの作品の著作権について議論が起きたとします。ファンがSNS上で「もっと保護されるべきだ」と一斉に発信し、それが大きく話題になれば、著作権に関する法律の見直しを求める声として、政治の世界に届く可能性もゼロではありません。私たちの興味や関心が、回り回って社会のルール作りに関わっていくこともあるのです。

SNSは、単なるエンタメツールではなく、社会の動きを知り、自分たちの「声」を届けるための大切なツールになりつつあります。小さな「いいね」や「シェア」の一つ一つが、社会をより良くしていくための最初の一歩になるかもしれません。